
馬渡谷城跡があるこのあたりは多可荘と言われ、今でも周囲に多くの城跡が残っている地域です。標高170メートル、比高90メートルの城山は少し前は地元の子供の遊び場所となっており、自由に登っていたそうです。また、共同アンテナが立てられたこともあり当時は登り易い道があったのでしょうね。やがてそのアンテナも台風で折れ、取り除かれてからは誰も登らなくなった、とは地元のお年寄りの話です。
比高こそたいしたことありませんが、登城道がなくなっているのはきついですね。西側から取り付くことができるのですが、すぐにシダが密生するところに出てしまい、そこから先はかなり勇気が要ります。膝よりも高いシダの中を踏み越えていくのですが時折地形が凸凹しており、こけそうになります。上から下へと伸びるこの地形こそが、中世城館調査報告書にある「竪堀」なんでしょうか。地面が見えないのでよくわかりません。
が、なんとか足元が見えるようになった時はほぼ頂上に出てしまっていました。主郭がある頂上を中心に北、南、東とそれぞれ段があり、小さいながらもいくつかの曲輪跡がみられます。ここからは加西市北部の山々が遠くまで望め、満久城もすぐ目の前です。