県道316号と720号とが交差する「上内神」信号の北東に位置する丘陵上にある内神城は、南に張り出した尾根上に段差を持った構造で存在していました。南東側から直登すると比高があまりないということもあってすぐに城域に到達します。横堀のようで通路状のようなものから上へと続くルートがあり平坦な郭面に出ます。北東隅には鉤状に折れを持つ土塁が残っていて、その先も郭となっています。さらにもう一段上に一番大きな郭がありましたが、ここがどうやら主郭のようです。全体にぎゅぎゅっと凝縮したようなコンパクトな印象ですが、じっくり見ていくとなかなか技巧的な構造で楽しくなってくるじゃないですか。主郭は張り出したところが横矢を掛けられるようになっているように見え、そして周囲には横堀がぐるりとめぐらされていました。堀底との段差は2〜4メートルほどで現在でもかなり深いものが残っています。斜面をうまく段差をもつ複数の郭で構成していたのに対し、横堀もそれにあわせるかのように段があるように見てとれます。
西から北にかけては横堀が走っていたのに対し、東側は竪掘がいくつか造られています。そして土塁に囲まれた郭が防御性を高めている感じです。堀江氏が関係するらしいといってもこの構造は明らかに時期が違いますよね。これだけ見事な遺構をもつお城が謎のままだというのも一層ワクワクさせてくれるというものです。三田市に来られたら是非見に行ってください。