早島陣屋跡

　戸川家は家祖達安の父秀安（友林と号す）の代から宇喜多家に仕え、備前児島の常山城を預かるなど、宇喜多家の重臣としてその役を担ってきた。しかし、達安の代になって宇喜多家のお家騒動から達安は遠ざけられ、徳川家康に預けられた。その縁で関ヶ原の合戦には東軍として参戦し数々の武勲を立て、その功によって２９，２００石を与えられ、備中庭瀬に居城を構えた。
　ここ早島は、江戸時代の初め１６３１年（寛永八年）に達安の次男安尤（やすもと）が３，４００石で封じられて以来１３代安宅（やすいえ）の代まで、干拓によって開かれた豊かな土地といぐさ産業を背景に、旗本戸川家の陣屋町として発展してきた。
　さて、この陣屋は元禄年間、２代安明の代に普請にとりかかり１７年の歳月を費やして１７０９年（宝永六年）に完成しました。陣屋は敷地全体が堀と塀によって囲まれ、東西約６５メートル、南北約１２０メートル、約７，８００平方メートル（約２５００坪）の広さを有し、その中には役人たちが仕事をする役所や裁判を行う白洲をはじめ、道場や年貢を納める米蔵などが置かれていた。また、主だった家臣たちの住居も敷地内に定められ、陣屋の裏山には家祖の戸川達安を祭る達安大明神の社もあった。
　しかし、この陣屋も明治の初めごろ取り壊され、現在ではここにある堀の一部と石橋、陣屋の飲料水として使われた井戸などを残すのみとなったが、旗本領の陣屋の遺構として貴重な史跡である。

 

　平日にやってきたのですが、陣屋跡が小学校ですので非常にやりにくいですね（^^;。しかも石橋や案内板がある場所はプールのすぐ横じゃないですか！純粋に城跡を廻っているんだけど、要らぬ誤解をうみそうで・・侮れないところです。当然ですが、ご迷惑にならないように散策しましょう。
　付近は陣屋町の佇まいを残していますので、落ち着いた雰囲気を味わいつつ周辺に足を延ばしてみるのもいいかもしれません。