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佐倉城跡登城日:(2001.10.13→2010.07.25) 所在地: 佐倉市城内町、佐倉城址公園 |
歴史 |
◆椎木門跡 北面、木造、本瓦葺、二階造り梁間三間、桁行七間。 前面に馬出しが設けられていた。 ◆馬出し空濠 城門前に築いて人馬の出入を敵に知られぬようにした土手が馬出しであります。 この空濠は、明治初期より連隊造営のため埋められていたもので、昭和46年から2回にわたる発掘調査により、長辺121m、短辺40mのコの字型、深さ5.6mの規模と確認されました。 復元にあたっては長辺、短辺はそのままとし深さを約3mとしてあります。 ◆二の門跡 東面、木造、本瓦葺、二階造り梁間三間、桁行八間。 本丸から大手門にいたる第二の門で「ニの御門」と呼ばれていた。−の門の東方−直線上にあたり、武器庫として使用された。門内は二の丸といい、藩政を執る役所が置かれていた。 ◆一の門跡 東面、木造、本瓦葺、二階造り梁間四間、桁行八間。「一の御門」と呼ばれていた。門内は本丸といい、天守閣、銅櫓、角櫓、御殿が置かれ、御殿の前庭には金粉をすりこんだ栗石が敷かれていたと伝えられている。 ◆銅櫓跡 木造、銅瓦葺、六間四方、二階造り。 この銅櫓は、土井利勝が将軍から拝領し、江戸城吹上庭内より移築したもので、もとは三層であって、太田道灌が造ったものといわれている。 ◆佐倉城の礎石 昭和五十九、六十年(1984、1985年)国立歴史民俗博物館の研究棟を建設するために、同敷地を発掘調査し、旧陸軍の営所跡を検出した。 兵舎跡の基礎には、大量の石が詰めてあったが、主柱の建つ位置には佐倉城の礎石を埋め込んでいた。佐倉城は、江戸時代初期の元和年間(1610年代)に土井利勝がこの地に築いた城である。明治時代初期(1873年)に同じ場所に陸軍の営所をおく際に、佐倉城の建物は取り壊し、その基礎を兵舎の基礎に転用したのである。 ◆佐倉城の夫婦モッコク モッコクは清澄山より東海道以西、四国、九州の近海地に自生する小喬木である。 本樹は、もともと二株植えられたもののうち、一株が夫婦モッコクとなったものか、三株寄植えしたもののうち二株が癒合してできたものか、明らかでない。樹高11.6メートル、目通り幹囲2.6メートルで、モッコクとしては巨木である。 佐倉城の築城については、「土井利勝が慶長十六年(1611)から元和三年(1617)まで七年をかけて完成し規模こそ小さくとも本丸等に種々の庭樹を植え雄大な風格を示した」との伝えがある。 このモッコクは庭樹の一つであったと考えられている。佐倉市松林寺境内にも巨木が所在する。 昭和五十七年二月十一日 『佐倉城跡案内板』より
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資料 |
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私見 |
佐倉城にやってきました。馬出し空堀がすっかり代名詞的な印象となっているこの城は京成佐倉駅から歩いて約20分と歩ける距離にありアクセスがよく、四季折々の花が美しく咲く公園として知られています。また私にとっては、城域内に国立歴史民俗博物館を有する歴史公園しての役割も重要な一面です。とまぁ、現代社会において機能的に活用された施設となっている佐倉城ですが、それでいて城跡としての遺構が豊富に残っているのですから非常に贅沢な環境だと言えませんでしょうか。 公園内の駐車場に車を止めると、公園内の見取り図でお城の縄張りを確認し、本丸を目指すように歩いていきます。馬出し空堀ではなく、次々と空堀が見えてきます。遊歩道がつけられていますのでそれに従っていくだけでも三の丸から二の丸、そして本丸へと自然とお城の中心部へと導かれていきます。三の丸から二の丸に入る手前で左折して、下に降りていきますと公園から出張った形状で残る出丸に出ました。ここは土塁を周囲にめぐらせてあり、水堀がさらにその外に配されています。こちらもよく整備されており、城としての機能美も感じることができ大変素晴らしいです。そのまま元来た道を戻って本丸を目指すのもいいですが、水堀の内側をぐるりと本丸を回り込むようにして歩いてみることにします。すると本丸との段差や空堀の深さもよく体感でき、整備された部分以外の往時のお城らしさといった雰囲気も満喫できるようでいいですね。 そして本丸へ。これまた高い土塁が巡らせてあり、また空堀も深く造られてあることもあってかなり堅牢な構造となっているようです。現在は芝生の緑が美しいだけで少々寂しいですが、想像を逞しくしないといけませんね。 最後に国立歴史民俗博物館にも寄っておきましょう。ここには全国各地のお城本が集められていますのでつい買いすぎてしまいそうです。またミュージアムショップには拙著も置かれていたのには感動でした(^^;。記念にずっとそのまま置いていてください。おっと、忘れるところでしたがここは日本100名城の1つでもあります。スタンプはこの博物館においてあるように思いがちですが、佐倉城祉公園管理センターにありますので要注意です。
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