黒井城の本丸からとんがり帽子のような千丈寺山を眺めていたのですが、その時はまだまさか自分がその頂上を攻め上がることになろうとは想像もしていませんでした。本丸の奥に急な傾斜を下りてゆき、そしてその先の西の丸の土塁や堀跡、櫓台に感動しながらそのまま西へと尾根筋を歩いていっていました。すぐに堀切があり、黒井城の広大な城域に驚きながらなおも西へと進みます。途中で削平がはっきりしない郭跡かなと思わせる部分もあり、飽きることなく私は千丈寺山の頂上を見上げるところまできてしまっていました。(^^;
砦跡は、30メートルほどの削平地と南側に1メートルほどの高さの土塁がまわっています。郭内には大きな自然石がどんと置かれていますが、どういう意味なんでしょうね。少し後になりますが、この千丈寺砦の南尾根筋上にある、兵主神社西砦にも巨大な自然石が郭内に設置されていました。神聖なる象徴なのか、あるいは実用的な意味合いをもつものなのか。こういった想像が山城の醍醐味ですよね。
縄張りを見ますと更に西側の斜面にはそれほどはっきりはしていませんが段がいくつか作られているようです。黒井城を守備する西側の要としてどれだけ活躍していたのでしょうか。現在はあまり眺望を望めませんが、当時はさぞかし360度の眺めを堪能することができたのでしょうね。