米子自動車道「江府」ICを降り、国道181号線を南下していきます。伯備線「武庫」駅を左折し、俣野川ダム脇を通る道路を約4キロほど走ったあたりでしょうか、右手に比高30メートルほどの丘陵地が見えてきます。斜面が墓地となっていますのでそれを目印に登っていってください。
俣野の土居城はその多くが畑地となっていますので、地元の方の迷惑にならないよう訪城しなければなりません。私は西側斜面から登り、そのまま南端のふちを歩きながら南側斜面の状況を確認してみました。縄張り図では蔀状の土塁や畝状空堀があるようですが、ちょっと上からだとわかりづらいですね。
やがて南北に1本横堀が通っているところに出ます。その堀底を歩いていき、右手に城域中央で高い土塁に囲まれた方形の郭を確認しました。高さ2〜3メートルに及ぶ土塁が見事に四方を取り囲んでいます。西側の一部だけが通路となっている以外はすっぽりと土塁が郭を隠してしまっていますよ。また、南東部の土塁は櫓台かと思われるような広い平坦部をもっています。
ここまですばらしい遺構が完存しているこの城ですが、土塁の上にも見事に畑として利用されてしまっており、その再利用率の高さにも驚きです。固く踏み固めた土塁が畑に適するように耕された努力には頭が下がります(笑)。この俣野の土居城は歴史も不明ながら、この状態は感動ものです。