黒河内城跡

　黒河内城の詳細は不明である。天正十年（１５８２）に、武田氏攻めのため織田信忠の軍勢５万が伊那谷を北上してきた際に、伊那市富県に”一夜の城”を築いたという伝承が残っている。この伝承地とされる一夜の城のすぐ北にある黒河内城は、やはりその頃の陣城として活用されていたのであろうか。

 

　一夜の城を見に行った際に、隣接する黒河内城にも立ち寄ってみました。遠目から見ても小高い丘が小規模な砦として格好の構えを今なお見せているという状態です。しかしながら頂部には民家が建っていますので、立ち入っての見学ははばかられますね。近くから見上げてみますと北側には土塁跡らしきものが東西に走っていました。小字名が「城」というそのまんまな名前が付けられていたこの黒河内城は、一夜の城と共に中心的な役割を果たしていたのかもしれませんね。