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若宮氏館

若宮氏館跡


登城日:(2007.11.18)
所在地: 米原市飯
 

【歴史】 | 【資料】 | 【私見】

歴史
大河ドラマのおかげか、かなり整備されている。  京極氏(後に浅井氏)の重臣「若宮氏」の居城とされ、館の堀跡と見られる「水路」のみが現存している。若宮氏については、佐々木南北諸氏帳や、高知県大脇文書等に記載されている。昔から「若宮仲間」があり、遺領の土地や位牌を守り毎年法要を行っている戦国武将で有名な山内一豊の夫人「千代」は当若宮氏の出とされる。

◆山内一豊夫人「千代」と飯村
 山内一豊の妻「千代」(見性院・1557〜1617)は、浅井家の家臣「若宮喜助友興」の子として、弘治三年当地に生まれた。かつては幼名が「まつ」と言われていたが、この人物は若宮左馬助の子で、千代とは従姉妹どうしにあたる。
 永禄九年(1566)、父戦死後は、伯母の夫「不破氏」に養われていたが、長じて故郷飯村に帰村していた時、隣村宇賀野村の長野家に奇遇していた山内一豊母子と運命の出会いをする。すなわち、千代は一豊の母(法秀院・宇賀野村に墓が現存する)のもとへ裁縫と行儀見習いに通っているうちに、母子から気に入られ、一豊の妻に迎えられた。千代十四歳の頃と言われている。新婚時代、安土城下に売りにきた名馬を、いざと言うときのためにと鏡箱の中に蓄えていた黄金10両を、気前よく提供して夫に買わしめた。その後、京都で行われた馬揃えで一豊はこの馬に跨って行進し、主君「信長」に認められたのを機に出世街道を歩むことになった。
 また、関ヶ原合戦直前には、腹心の部下「田中孫作定重」(本市高溝村出身)を使者にたて、家康に従って上杉景勝追討のために下野宇都宮へ出陣中の夫のもとへ、石田三成挙兵の知らせと、家康への忠誠を尽くすよう懇願した密書を送り、家康を感激させるとともに、夫に対する絶大なる信頼を勝ち取った。夫の出世の糸口となる重要な場面には必ず登場し、内助の功を発揮したので、後世「妻の鑑」と賞賛された。
 晩年は京都に住み、元和三年十二月四日、六十一歳で没した。墓は妙心寺大通院にあり、夫の墳墓とともに仲良く御霊屋にまつられている。なお、千代の出自である当字若宮の子孫は「外記仲間」と称して、今日に至るまで一族の追悼法要を営んでいる。
若宮氏の顕彰碑 ◆「若宮まつと若宮外記仲間」
 八幡神社を造営した若宮左馬助(浅井長政の家臣・飯村屋敷主)の一人娘「まつ」(1563〜1639)は四歳の時、父左馬助が、永禄九年(1566)に戦死した際、男子の相続がいなかったため、その所領を「まつ」が相続した。父の亡きあと、「まつ」は、若宮家の家臣に育てられ、成長した「まつ」は、織田信長の四男で豊臣秀吉の養子であった羽柴秀勝の家臣赤尾孫助と結婚するが、孫助は、天正十二年(1584)小牧・長久手の合戦で討死してしまう。
 この年「まつ」は孫助の子「志よろ」(1584〜1628)を長浜で出産する。「まつ」は、「志よろ」と左馬助の家臣四名を連れて、長浜城主山内一豊の重臣五藤為浄吉兵衛の弟五藤為重(1557〜1629)と再婚する。
 五藤為重は、天正十三年冬の長浜大地震の際、見性院(一豊公室・千代)を真先に救出した由、五藤家系譜に記載。
 五藤家は、天正十八年山内一豊と共に掛川に移り、慶長五年(1600)関ヶ原の戦いを経て土佐に入国した。「まつ」は寛永十六年(1639)七十七歳で安芸に永眠。
 後に「志よろ」は、五藤為重の跡を継いだ五藤外記正友(1586〜1676)長浜生まれと結婚する。(正友は、為重と側室との間に生まれた子)
 五藤外記正友の幼名「出喜」は、一豊公から直々に命名されたもので、元服の際には「外記」と改名された。
 五藤為重は、山内家に次ぐ五家老に列し、五藤家は明治維新まで300年間山内家の家老として続いた。
 一方、飯に残った若宮家の家臣は「若宮外記仲間」として若宮家の所領を守り、現在も追悼法要をつづけている。

『若宮氏館跡案内板』より

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資料
 

私見
ひょっとしてこれが現存水路?  若宮氏館へのルートは表現しづらいので「元宮跡」の案内を探してみてください。現状は米原市内でよくみる案内板の石碑があり、そして新しい立派な案内板が何枚も設置されています!大河ドラマが放映されていた時にはここも盛り上がっていたんでしょうか。案内板の文章を読んでいますと、大河ドラマ「巧妙が辻」の『千代にお任せくださいませ。』がよみがえってきましたよ(笑)。
 ところで遺構として残る「水路」ってどれのことなんでしょうか。道路を挟んで館跡を中心に弧を描いている溝がありますが、今も水が流れています。堀としては何の役にも立たないサイズですが、それでもいい当ありがたく撮影しておくことにしました。
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