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萩城跡


登城日:(2006.11.26)
所在地: 萩市大字堀内
 

【歴史】 | 【資料】 | 【私見】

歴史
指月山をバックにした萩城跡 水掘と石垣が美しい萩城 ◆毛利輝元
 毛利輝元は、天文二十二(1533)毛利隆元の長男として安芸国吉田郡山城(現在、広島県安芸高田市)に生まれた。戦国時代中国地方の覇者となった毛利元就の孫にあたる。永禄六年(1563)父隆元の死去にともない家督を継ぎ、祖父元就の手によって養育された。
 織田信長や豊臣秀吉と覇を競い、中国地方8ヶ国112万石を領有する大大名に成長し、天正十七(1589)広島に居城を築いた。豊臣政権下では五大老の一人となり権勢を誇ったが、慶長五年(1600)関ヶ原の戦いで敗れ、周防・長門2ヶ国36万9千石に削封された。慶長九年(1604)、居城を萩に選定し、同年11月11日、萩城に入城した。萩開府にあたって、城下町の建設を推し進めるとともに、萩藩経営の安定に腐心した。
 寛永二年(1625)73歳で没し、萩城三の丸(堀内)の天樹院に葬られた。
萩城の天守台跡
◆萩城
 関ヶ原の合戦の敗戦で、西軍の総大将であった毛利輝元は、長門・周防2国に移封されました。輝元は1604年(慶長九年)日本海に面した長門国の萩に築城を開始し、阿武川河口の三角州を整地しました。萩城は標高143メートルの指月山の山麓には本丸が築かれたことから指月城とも呼ばれます。城郭の構造は指月山麓の平城の部分と山頂の山城の部分を合わせた平山城の形式で、山麓には本丸・二の丸・三の丸を備えていました。本丸は東西百十間、南北八十間、その南北には内堀を掘りめぐらし、高さ六間の石垣を築いて五層の天守閣がそびえ、内部には藩主の居館や政庁などが立ち並んでいました。内堀に接してその外に二の丸があり、さらに中掘を挟んで広大な三の丸が城下町と外掘を隔ててつくられていました。城跡(国史跡)は指月公園となり、壮大な本丸の石垣や天守閣跡が往時を偲ばせます。

詰の丸に残る石垣 萩城、詰の丸跡 ◆萩城詰丸跡
 ここ、指月山の山頂(標高143メートル)は当時まわりを石垣で囲み、その区域を詰丸または要害といい、戦時に最後の籠城をするところであるが、平時は六、七名の要害番が泊まり込み陸と海を監視していた。
 詰丸は、東側の本丸と西側の二の丸とに分かれており、間には石垣と塀があって、門で連絡をしていた。
 本丸は、東西二十四間(43.2メートル)、南北二十間(36メートル)で、藩主の初入国あるいは幕府の巡検使の登山時に使用する休憩用の茶屋があった。
 二の丸は、東西十九間(34.2メートル)南北二十間(36メートル)で、監視所としての要害番所と要害番中間の居小屋があった。
 周囲は、一丈(3.03メートル)以上の高さの石垣の上に、鉄砲狭間を施した白亜の土塀をめぐらし、要所に矢倉五ヶ所、二階倉二ヶ所を配置していた。また詰丸には、井戸がなかったので、本丸の大岩の傍らに貯水池、二の丸に用水槽を設置し、水を確保したが現在もその遺構がみられる。

『萩城跡案内板』より

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資料
 

私見
萩博物館にある萩城復元モデル  萩城は海に面した河口の洲に作られた平城と、指月山上につくられた山城とが組み合わさったものとなっています。弧を描く勾配をもつ石垣で有名な萩城は、現在公園化されているところだけじゃなく現在の町並みに溶け込んでいる部分も含めるとかなり広大な城域ですね。ちょうど私が訪れた時に外掘跡の発掘が行われていまして、掘底の複雑な地形が掘り出されているのを見ることができました。
 さて、城の中心部へは内掘を越え、お金を支払って中に入ることになります。(ここ翌日に朝駆けしたのですが、その時は自由に行き来できました。(^^;)随所に石垣が残り、またよく見れば非常に細部にまで石垣が積まれているんだと驚かされます。幕末には台場が2箇所(山中矢倉跡、妙玖寺跡)と指月山の詰丸跡には狼煙台も作られたというのですからその防御性の高さは間違いないものですね。また、よく写真に撮られている天守台は案内板にかつての五層天守の古写真が出ていますので、当時の姿を想像するとなんとも言えない感動を覚えます。
発掘中だった萩城外掘 かつての五層天守、古写真  夕刻間際でしたが、あわてて指月山にも登ってみました。あまり遺構は期待してませんでしたが山上にもそのまま石垣が残っているとは知りませんでした。郭が分けられ、貯水池跡や楔の入った巨石が印象的です。現在は木々が育っており、眺望を楽しむことはできませんが往時は遠く沖合いまで見渡せたのでしょうね。
 夕刻に慌しく駆け回ったのと、翌日の朝駆けで萩城を散策してみましたが、全然自分のなかでは消化できませんでした。周囲には台場跡も多くありますし、また再訪してみたいと思います。歴史好きにとってはたまらなく魅力のある萩は1日では回りきれないところですね。自転車を借りてゆっくりと時間を使いながら満喫したいです。お奨めは萩博物館です。ここは萩城の復元モデルが展示してあるだけじゃなく、いろいろと楽しい展示物が見られます。ここだけでも半日楽しめそうですので、萩に立ち寄られた際には一度足を運んでみてください。
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